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ラベリングEU規格基礎知識

タイヤのラベリング制度を正しく読む|日本とEUの違いを解説

はじめに:ラベリングって結局なに?

タイヤを選んでいると、カタログやECサイトの商品ページに「転がり抵抗 AA」「ウェットグリップ b」みたいな表記が出てきますよね。あれが「ラベリング」と呼ばれるもので、タイヤの性能を統一基準で格付けした制度です。

ただ、日本のラベリングとEU(欧州)のラベリングは別の制度なので、同じタイヤでもグレードの表記が違っていたりします。ここがちょっとややこしいポイントなんですよね。

この記事では、両方のラベリング制度をきちんと理解して、タイヤ選びに活かすための知識をまとめました。

日本のラベリング制度(JATMA)

制度の成り立ち

日本のタイヤラベリング制度は、2010年にJATMA(日本自動車タイヤ協会)が始めたものです。目的は消費者がタイヤの環境性能を比較しやすくすること。当時はエコカー減税やハイブリッド車の普及で「燃費」が大きな関心事だったので、転がり抵抗を軸にした制度設計になっています。

転がり抵抗係数(RRC)

転がり抵抗というのは、タイヤが路面上を転がるときに生じる抵抗力のこと。この値が小さいほど、少ないエネルギーでタイヤが回るので燃費が良くなります。

グレードは以下の5段階です。

  • AAA(係数 6.5以下)── 最高ランク。エコタイヤの上位モデルに多い
  • AA(係数 6.6〜7.7)── 省燃費タイヤの標準的なクラス
  • A(係数 7.8〜9.0)── 一般的なタイヤでこのあたりが多い
  • B(係数 9.1〜10.5)── スポーツ系やコンフォート系の一部
  • C(係数 10.6〜12.0)── グリップ重視の設計だとこのランクになることも

実感としては、AAA〜AAのタイヤだと「あ、燃費がちょっと良くなったな」と気づけるレベルです。とくに毎日通勤で使う方は、年間のガソリン代で数千円の差になることもあります。筆者の経験だと、Cランクのスポーツタイヤから AAランクのエコタイヤに替えたとき、リッターあたり 1km弱の燃費改善がありました。

ウェットグリップ性能

雨天時のブレーキング性能を示す指標で、濡れた路面での制動距離に直結します。

  • a(指数 155以上)── 最高ランク。雨でも安心感が高い
  • b(指数 140〜154)── 十分な制動性能
  • c(指数 125〜139)── 標準的なレベル
  • d(指数 110〜124)── 最低ランク。雨天時は注意が必要

ここで覚えておきたいのが、転がり抵抗とウェットグリップはトレードオフの関係にあるということ。ゴムを硬くすると転がり抵抗は下がりますが、路面をつかむ力(グリップ)も落ちます。だから「転がり抵抗AAA・ウェットa」のタイヤは技術的にかなり難しくて、当然お値段も張ります。

普段の街乗りなら、転がり抵抗AA〜A・ウェットb程度あれば十分バランスが良いと思います。

EUタイヤラベル制度

制度の概要

欧州では2012年からタイヤラベル表示が義務化されました。2021年5月に改正があり、現在はA〜Eの5段階評価(以前はA〜Gの7段階)になっています。評価項目は3つ。

1. 燃費効率(Fuel Efficiency)── A〜Eの5段階 2. ウェットグリップ(Wet Grip)── A〜Eの5段階 3. 外部走行騒音(External Rolling Noise)── dB値 + A/B/Cの3クラス

日本のラベリングと大きく違うのは、騒音レベルが評価項目に含まれていること。静粛性を重視する方にとっては、EUラベルの方が情報量が多いんですよね。

各グレードの意味

燃費効率(Energy Efficiency)

グレード転がり抵抗係数 (kg/t)
A≤ 6.5
B6.6 〜 7.7
C7.8 〜 9.0
D9.1 〜 10.5
E> 10.5

ウェットグリップ

グレードウェットグリップ指数
A≥ 1.55
B1.40 〜 1.54
C1.25 〜 1.39
D1.10 〜 1.24
E≤ 1.09

外部走行騒音

Aクラス(静か)→ Bクラス → Cクラス(うるさい)の3段階で、具体的なdB値も併記されます。一般的な乗用車タイヤだと67〜72dBくらいが多いですね。

日本ラベリングとEUラベルの対応関係

さて、気になるのは「日本のAAはEUだとどのくらい?」という点ですよね。

試験方法が違う(ISO 28580準拠だが、条件が微妙に異なる)ので厳密な互換性はありません。ただ、大まかに言えば以下のような対応になります。

日本(転がり抵抗)EU(燃費効率)
AAAA
AAB
AC
BD
CE
日本(ウェット)EU(ウェット)
aA
bB
cC
dD〜E

とはいえ、あくまで「だいたいこんな感じ」程度の目安です。実際には同じ日本AAのタイヤでも、EUラベルではAだったりBだったりすることがあります。両方のデータがあるなら、両方確認するのが確実です。

TireMatchでの活用方法

TireMatchでは、日本ラベリングとEUラベルの両方を商品詳細ページに並べて表示しています。これは国内の比較サイトとしてはかなり珍しい機能だと思います。

使い方としては、こんな感じがおすすめです。

1. まずトップページでサイズを入力して検索 2. 一覧ページで転がり抵抗やウェットグリップでフィルタリング 3. 気になるタイヤの詳細ページでEUラベルも確認 4. 騒音値(dB)が低いものを選べば静粛性もカバーできる

とくにSUVや大径タイヤになると、騒音レベルの差が顕著に出ます。65dBと72dBでは体感でかなり違うので、EUラベルの騒音データは侮れません。

まとめ

  • 日本のラベリングは「転がり抵抗」と「ウェットグリップ」の2軸
  • EUラベルは「燃費」「ウェット」「騒音」の3軸で、情報量が多い
  • 両制度のグレードは大まかに対応するが、厳密には互換性がない
  • 両方確認することで、タイヤの性能をより正確に把握できる

ラベリングは万能な指標ではありませんが、知らないのと知っているのとではタイヤ選びの精度がまるで違います。とくにネットでタイヤを買うときは、実物を手に取れない分、こうしたデータが頼りになります。ぜひ活用してみてください。

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