「このタイヤ、ちょっとうるさいな」と思ったことありませんか?
タイヤを交換してから「なんか前より車内がうるさくなった気がする」と感じた経験はないでしょうか。あるいは新車のときは静かだったのに、数年経ったら走行音が気になるようになったとか。
その原因、かなりの確率でタイヤです。車の走行中に聞こえる騒音の中で、タイヤから発生する音(ロードノイズ)が占める割合は、時速50km以上になると最大級。エンジン音よりタイヤの音の方が大きいということも珍しくありません。
とくにEVやハイブリッド車が増えた今、エンジンが静かなぶんタイヤのノイズが余計に目立つようになりました。「静かなタイヤ」のニーズは年々高まっています。
この記事では、タイヤの騒音が発生するメカニズムから、静かなタイヤの選び方まで詳しく解説します。
ロードノイズの正体
パターンノイズ
タイヤの表面には溝(トレッドパターン)が刻まれていますよね。この溝が路面と接触するときに発生する音がパターンノイズです。
溝のブロックが路面を叩く「パタパタ」という音や、ブロック同士が接地・離地を繰り返す振動が空気を揺らして音になります。一般的に、ブロックが大きくて溝が深いタイヤほどパターンノイズは大きくなる。SUV用のA/TタイヤやM/Tタイヤがうるさいのはこのためです。
逆に、コンフォートタイヤやエコタイヤはブロックを細かく配置して、接地のタイミングをずらす設計(バリアブルピッチ)を採用することでパターンノイズを低減しています。
エアポンピングノイズ
タイヤの溝に閉じ込められた空気が、タイヤの回転によって圧縮・解放されるときに発生する「シュー」という音。高速道路を走っているときに聞こえる「ゴーッ」という低い音の正体は、だいたいこれです。
エアポンピングノイズは速度が上がるほど大きくなる傾向があります。溝の設計(排気経路の確保)で抑制できるため、メーカーの技術力が問われるポイントでもあります。
ロードノイズ(路面との共振)
厳密にはパターンノイズとは別に、タイヤ自体が路面の凹凸によって振動し、その振動がサスペンションを通じて車内に伝わる音もロードノイズと呼ばれます。
これはタイヤのケース剛性(骨格の硬さ)やサイドウォールの設計に影響されます。柔らかいサイドウォールのタイヤは振動を吸収するので車内は静かになりますが、ハンドリングの応答性とはトレードオフになります。
静かなタイヤの選び方
EUラベルのdB値を活用する
日本のラベリング制度には騒音項目がないため、静粛性の比較にはEUラベルの騒音値が頼りになります。dB値とA〜Cの3段階で表示され、目安はこんな感じ。
- ▸67dB以下 ── 非常に静か。コンフォートタイヤの上位モデルに多い
- ▸68〜70dB ── 静かな部類。一般的なエコタイヤはこのあたり
- ▸71〜72dB ── 標準的。多くの乗用車タイヤがこの範囲
- ▸73dB以上 ── やや大きめ。スポーツタイヤやA/Tタイヤに多い
デシベルは対数スケールなので、3dB違うと音のエネルギーは2倍。1〜2dBの差でも乗り比べれば体感できます。A/B/CクラスはEU騒音規制に対する余裕度を示していて、Aクラスが最も静かです。TireMatchでもEUラベルの騒音値を表示しているので活用してください。
コンフォートタイヤを選ぶ
タイヤのカテゴリの中で最も静粛性を重視しているのが「コンフォートタイヤ」です。代表的な銘柄はこちら。
プレミアムコンフォート(最高レベルの静粛性)
- ▸BRIDGESTONE REGNO GR-X III ── 国産コンフォートの最高峰。静粛性へのこだわりが別格
- ▸MICHELIN PRIMACY 4+ ── 欧州車の純正装着も多い。静かさとウェット性能を高次元で両立
- ▸DUNLOP VEURO VE304 ── 特殊吸音スポンジを内蔵した「サイレントコア」技術搭載
スタンダードコンフォート(コスパと静粛性の両立)
- ▸DUNLOP LE MANS V+ ── プレミアムほどの価格を出せない方に。「サイレントコア」は非搭載だが十分静か
- ▸YOKOHAMA BluEarth-GT AE51 ── エコタイヤとコンフォートの中間。静粛性と燃費を両立
偏平率は高めを選ぶ
タイヤの偏平率が高い(サイドウォールが厚い)ほど、路面からの振動を吸収しやすくなります。55よりも65の方が静か、45よりも55の方が静か、というイメージ。
もちろん純正サイズから変更するのは推奨しませんが、純正で複数サイズが設定されている車種(たとえばグレードによって16インチと17インチがある)の場合、小さい方のホイールサイズ(=偏平率が高い方)を選ぶと静粛性が有利です。
新品タイヤの「慣らし」を忘れずに
新品タイヤは表面にワックスや離型剤が残っていて、最初の500〜1,000kmくらいは本来の性能を発揮しません。騒音についても同様で、新品装着直後は「思ったほど静かじゃない」と感じることがあります。
1,000kmほど走ると表面が馴染んで本来の静粛性が出てきます。新品のタイヤをつけたばかりの方は、もう少し様子を見てみてください。
タイヤ以外でロードノイズを減らす方法
- ▸空気圧の適正管理 ── 高すぎても低すぎてもノイズ増。純正指定値を維持するのが基本
- ▸デッドニング ── フロアやホイールハウスに制振材を貼る。専門店で2〜5万円程度
- ▸タイヤハウス防音 ── フェンダー内側にスプレー式制振材を塗布。1〜2万円で手軽にできる
静かさで選ぶタイヤランキング
最後に、静粛性が特に高いと評判のタイヤをランキング形式でまとめます(195/65R15サイズの場合)。
| 順位 | タイヤ | EU騒音値 |
|---|---|---|
| 1位 | BS REGNO GR-X III | 68dB (A) |
| 2位 | DUNLOP VEURO VE304 | 68dB (A) |
| 3位 | MICHELIN PRIMACY 4+ | 69dB (A) |
最新の実売価格はTireMatchでサイズを入れて確認してみてください。
まとめ
静かなタイヤを選ぶためのポイントを振り返ります。
- ▸ロードノイズの主な原因 ── パターンノイズとエアポンピングノイズ
- ▸EUラベルのdB値を活用 ── 67dB以下なら非常に静か。数値が小さいほどグッド
- ▸コンフォートタイヤを選ぶ ── 静粛性を設計の柱にしたカテゴリ
- ▸偏平率は高めが有利 ── サイドウォールが厚いほど振動を吸収
- ▸車側の対策も併用できる ── デッドニングやタイヤハウス防音
車内の静かさは長距離ドライブの疲労度に直結します。とくに高速道路をよく使う方や、家族を乗せる機会が多い方は、静粛性にこだわる価値があると思いますよ。タイヤの騒音値はTireMatchの商品ページで確認できるので、次の交換のときにぜひチェックしてみてください。